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菅原孝標女とは特に関係ない
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【獣の夢】
 
気持ちが悪い。
母親から物心が付いた時には既にそのように言われていた私は、嗚呼自分は気持ちが悪いのだな、と理解して過ごしていた。
自分では当然であることが相手からすれば当然ではない。認識できぬものは不愉快でおぞましく、気持ちが悪い。
子供というものは総じて敏感であるから、私は相手から受ける一方的な負の感情をなるべく言葉にしないように過ごすようになった。それが自衛の手段なのだから仕方ない。
私は自分に嫌悪を感じる様々な人から、人間のあり方を学んでいた。獣が芸をして餌を得るように。私も人間の振りをして生かしてもらうしか生きる手段がなかったのだ。
「アア、アナタキイテヨ。マタ――」
母親がまるで汚物を見るかのような目をしながら私に一瞥して、いつものように父親に愚痴を言った。
獣は獣。芸ができても喋れぬのであれば意思疎通なぞできるはずがあるまいて。しかし、畜生とは違い人間な私はその意思疎通をすると、やはり気持ちが悪いを嫌悪の眼差しを向けられるのです。
嗚呼お母様。貴女が行う家事を全て手伝いますが故、どうか私を生かして下さいまし。
もちろん今だからこそこのように昔語りを自嘲気味に回想できるが、昔は昔で必死だったのだ。生きるためには相手に尽くさねばなりません。
母親が立ち上がると気持ち悪い私は先に走って箒を取り。
母親が立ち上がると気持ち悪い私は先に走って風呂の掃除をし。
母親が立ち上がると気持ち悪い私は先に走って買い物鞄を渡し。
母親が立ち上がると気持ち悪い私は先に走って布団を引き始める。
その度に母は私を見て一言。気持ちが悪い。と呟くのです。
私はどこまでも獣ではなく、人間ではなく、気持ちが悪い何かでした。
気持ち悪い何かが人間らしく振舞っても、人間ではないのです。
しばらくすると、母は私を殴り始めました。
私が近づくと脅え、手が出ます。
私にはそれが分かっていますからそれを避けると、益々気味悪がり、小さい私では抗えない力で殴りつけるのです。
何度も殴られて私はようやく学習しました。
嗚呼、絶対に私はこの人に愛されることは無いのだな、と。



ようやく書き始めました。小説です。
生存していたのですが、ある意味色々忙しかったのでようやく報告できました。
とりあえず触りのページで挨拶とさせていただきますです、はい。
半ばノルマのようであった大量の動画を見て解き放たれたのでちょこちょこ書いていこうかと。
にしても、ブリッツPは天才やでぇ。
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